英国生活

アイラ島に行ってみたいと思ったら読んでもらいたい記事

2023年2月16日

2022年10月にアイラ島に旅行に行きました。事前情報が少なく戸惑ったことも多かったので、この記事にまとめて皆さんに共有したいと思います。

アイラ島の思い出は一言でいうと「癒しと知的好奇心を満たしてくれる旅」でした。一方で、事前準備を怠ると痛い目をみることになります。私は空港~宿泊先までの移動手段がなく、空港で立ち往生しました。。。

効率よく旅行するためにも是非参考にしてください。

Mishima

ウイスキー好きだったら誰もが憧れる聖地「アイラ島」。少しマニアックな旅でしたが、とても素晴らしい体験をしました!

アイラ島旅行の良い点をまとめると:

  • ウイスキーの聖地を五感で感じることで、スコッチウイスキーへの愛着が増す
  • 蒸留所の製造方法と熟成樽の違いがもたらす味変化を知ることで、今後スコッチウイスキーを飲む楽しみが増える
  • 朝から酔う→アイラ島の新鮮な空気で酔い覚まし→そしてまた酔う。この繰り返しで幸福度が爆上がりする!

となります。

逆に注意点は以下です:

  • 他の欧州メジャー都市より割高
  • 事前予約を怠ると何もできない
  • 通信環境が悪い

アイラ島へのアクセスは限られており、情報が少ないため、それなりの準備期間と出費を覚悟する必要があります。このブログでは私の体験ベースで重要だと感じたことを以下の順番でお伝えをさせていただきます。

  • アイラ島の楽しみ方
  • 旅行のざっくり費用
  • 気を付ける点

結論、アイラ島は旅程と事前予約が命!そこさえクリアすれば一日中酔えて、ウイスキーへの知識も愛着も増える!費用は高めだけどユニークな体験への投資として十分なリターンが得られる! そんな旅行でございます。

アイラ島旅行の楽しみ方

蒸留所巡りでほろ酔いテイスティング

アイラ島には9つの蒸留所があり、それぞれの蒸留所でテイスティングが出来ます。アイラ島旅行の醍醐味は蒸留所で飲むウイスキーにあるといっても過言ではありません。

お酒は飲む場所・雰囲気・仲間によって味が変わりますよね?蒸留所で飲むアイラウイスキーの味は、バーや自宅で飲む味とはまた違った趣があります。

また、蒸留所には「ウイスキー好き」が集まってくるので、その人たちとの交流もテイスティングを特別なものにします。たとえ「Hello」ぐらいしか言葉を交わさなくても、時間とお金をかけてこのマニアックな土地に来ているという特殊な一体感がうまれ、ワクワクさせてくれるのです。あと、単純に酒好きが周りにいるだけで、妙な安心感がありますね!

アイラ島には9つの蒸留所がありますが、そのすべての蒸留所で試飲が可能です

  • ボウモア Bowmore
  • ラフロイグ Laphroaig
  • アードベック Ardbeg
  • カリラ Caol ila
  • キルホーマン Kilchoman
  • ブルイックラディ Bruichladdich
  • ラガヴーリン Lagavulin
  • ブナハーブン Bunnahabhain
  • アードナホー Ardnahoe

正確には、アードナホーのウイスキーはまだ飲めないので8つです

私は全蒸留所を巡りましたが、それぞれの蒸留所に個性がありました。蒸留所の紹介は別の記事で詳細にお伝えしたいと思います。

都会からかけ離れた大自然の中でデジタルデトックス

アイラ島は大自然に囲まれた豊かな島です。(旅行する前のイメージとのギャップがとても大きかったです)

どんなギャップがあったのかというと、「あまり観光地化されていない」ということでした。正しく表現すると、観光地化はされているのですが、需要が供給を上回っているので、平穏なのです。アイラ島には毎年約1万人の観光客が訪れるといわれており、スコットランドの中でも主要な観光地なのですが、島の人はそんなにガツガツしてません。

例えば、どこの空港にも客待ちタクシーがいるのが普通ですが、そんな人は存在しません。無防備で空港に降り立った我が家は戸惑いました。タクシーもホテルもレストランも空きを見つけるのに苦労します。

例えるならば「星野リゾート」を体感できるような島です。Ardbegの蒸留所ツアーを巡ったときに、説明員がこんな言葉を言ってくれたのが印象的でした「アイラ島まで来るのは簡単なことじゃない。時間も労力もかかる。貴重な休暇の旅先としてこの地を選んでくれたことに感謝をしている」観光客は同志であるといった感じでした。よくある押し売りがないから居心地が良い。

だだっ広いヒースの草原、キュートでなだらかな丘、穏やかな湿地地帯、野鳥の休憩場となっている海岸…そんな自然に集中して、普段の忙しいデジタルな日々をデトックスすることも、アイラ島のもう一つの醍醐味だと私は感じました。

アイラ島旅行にかかる費用

ご参考までに、今回の旅行でかかった費用はこんな感じでした。前提条件は、家族3人、ロンドンからの移動、3泊4日の旅。食費やお土産費用などは入れていません。

  • 移動費(現地以外):約2000ポンド
  • 移動費(現地):約350ポンド
  • 宿泊費:約360ポンド
  • 観光費(蒸留所ツアーやテイスティング等):約80ポンド
  • 合計:約2800ポンド ≒ 約45万円(160円/ポンド換算)

アイラ島への行き方

アイラ島に行く方法としては主に2種類の方法があります。

  • 飛行機で行く
  • フェリーで行く

出発地点はそれぞれだと思うので、スコットランドの主要都市であるグラスゴーを起点とした導線で記載します。日本からの出発であればヒースローやドバイ経由で20万前後、ロンドン在住であれば飛行機で150ポンド前後(時期によって大幅に変化)ぐらいかなと思います。

ロンドンからグラスゴーまで電車の利用も可能ですが、飛行機と比較して時間的・金銭的なメリットは低いです。

 飛行機フェリー&バス
主な導線
  1. グラスゴー国際空港→アイラ空港(LoganAir)
  1. グラスゴー市内→Kennacraigフェリーターミナル(バス)
  2. Kennacraig→ポート・エリン(フェリー)
コスト高い(150ポンドぐらい)安い(40ポンドぐらい)
時間短い(フライト所要時間は45分)長い(もろもろ8時間ぐらい)
その他メリット

グラスゴーの観光に時間を割くことができる。グラスゴー空港から市内まではバスやタクシーでサクッと行けます。

フェリーターミナルまでの道のりはわりと景色が良いらしいです。グラスゴーではなく、エジンバラを起点に移動することも可能。

我が家は小さい子供がいるので長距離移動の選択肢はなくなり、飛行機移動をチョイスしました。

参考:Loganairのフライト時間

グラスゴー空港からアイラ空港のフライトは、ローガンエアー(Loganair)一択となります。一日2便の運用だけなので迷うことはないです。

チェック柄がキュートなプロペラ機でございます。強風だと揺れます。

 朝 LM0421 夕 LM0427
From Glasgow08:0017:10
To Islay08:4517:55

---

 朝 LM0422夕 LM0428
From Islay09:1518:25
To Glasgow09:5519:05

アイラ島の宿泊費用

ホテルは安くないです。おおよそ一泊あたり100ポンド~160ポンドのレンジが多かったです。意外なことに夏のハイシーズンだから値段を吊り上げるといったことをしていないところが多い印象でした。

Booking.comのようなサイトに対応している施設もありますが、ほとんどが個人経営で各ホテルのホームページから直接予約を取るスタイルです。予約システムを導入していればまだ良いほうで、過半数は電話やメールで受付をしていました。

ホテルの数は非常に限られているので早めの予約が必要です。

私が宿泊したのはLambeth Guest House。部屋は清潔でした。宿主のマーガレットはいつも笑顔のおば様で、彼女の作ってくれる朝食に愛がこもっていたので幸せな気分にさせてくれました!

アイラ島内の交通費

アイラ島の交通手段は以下の4つとなりますが、選択肢によって値段が大きく異なります。以下、ざっくりした費用感とメリット・デメリットを記載します。

タクシー

アイラ島の交通手段で外せないのがタクシー。理由は「ウイスキーを思う存分楽しめるから」。

実績ベースでお伝えすると、半日貸し切り180(4時間)、220ポンド(5.5時間)、1日貸し切り250ポンド(8時間)といった費用感でした。お店によって値段はまちまちですが、どこも同じようなレンジに収まるものと考えます。

尚、空港からボウモア村までの料金は15ポンドでした。

貸し切りタクシーを使うメリットとしては、1.蒸留所やレストランの従業員と顔見知りなので機転を利かせてくれることがある、2.事故等のリスクが少ない。といったところかと思います。

私は半日貸し切りを利用しましたが、蒸留所から近いランチの場所を予約してくれたり、テイスティングを無料で提供してくれたりといったメリットがありました。また、アイラ島の舗装道路は整備が行き届いていない箇所があったので、安心を買う意味でも有効かなと思います。

こちらのリストを片っ端から電話またはメールしていくことをお勧めします!

なお、私が利用したのは「Lamb Islay Taxi」。マーガレット(偶然同名)という女性ドライバーがとても気づかい上手で、ランチ場所の手配や観光案内もしてくれました。おすすめです!

Bonnie Islay Taxis - mobile: 07903 568 724

Bowmore Taxi Service - phone: 01496 810 449 mobile: 07899 756 159 

Bruichladdich Taxis - phone: 01496 850 271 mobile: 07899 942 673 

Carol's Cabs - phone: 01496 302 155 mobile: 07775 782 155 

Dougie MacTaggart - mobile: 07474 686 367 

Hughie’s Taxi - phone: 07737 491 429 

Islay Taxis - phone: 01496 850 170 mobile: 07771 921 157 

Islay Tours and Private Hire - mobile: 07474 686 367

Jims Taxi Bowmore - mobile: 07967 505 991 

Lamb Islay Taxi - phone: 07846 055 399 

https://www.islayinfo.com/get-here/getting-around

自転車

意外と見落としがちな交通手段がレンタル・サイクルです。最大のメリットは、タクシーと同じく「ウイスキーを堪能できる」そして「アイラ島の大自然を感じられる」といったところ。

費用は、電動自転車で一日30ポンドぐらい、普通の自転車で20ポンドといった費用感です。

ぶっちゃけアイラ島は40km × 32kmぐらいの小さな島なので、蒸留所から蒸留所間ぐらいは自転車でいけちゃったりします。

デメリットとしては、天候の影響をもろに受けること。アイラ島は夏でも気温が高くないし、「一日のうちに四季がある」と言われるイギリスの天気なので、通り雨に遭遇するぐらいの心構えは必須です。

私は事前にレンタサイクルを予約していたのですが、「明日は強風予報なので、自転車用のベビーチェアーの貸し出しはできない」と言われて急遽予定変更となりました。キャンセル料はかからなかったですし、代替手段に使った「公共バス&ウォーキング」が想像以上に快適だったので結果オーライだと思っています。

私が利用したのはIslay E-Wheelsです。レスポンスが早くおすすめです!

Port Ellen周辺 - Islay Cycles, Islay E-Wheels

Bowmore周辺 - Islay Bike Hire 

https://www.islayinfo.com/get-here/getting-around

公共バス

当初は選択肢に入れていませんでしたが、目的地次第では割と使えるのがバスです。

私はボウモア村~アードベック蒸留所に利用しましたが、特段不便はなかったです。料金も片道2.5ポンドぐらいだったし、5歳以下は無料だったので安くつきました。

乗車時間のチェックは、Google Mapsは割と正確に使えました!バス停に時刻表があるので写真を撮っておくことをおすすめします!

レンタカー

アイラ島のレンタカー屋は2社のみで、空港に無人のデスクがありました。ウイスキーの試飲が目的だったので、私は利用しませんでしたが、在庫数が少ないので予約必須となります。

私が蒸留所で知り合ったアメリカ人は、レンタカーで旅をしていると言ってましたが、ガンガン試飲をしていました。おそらくこういった人は他にもいると思いますが、絶対にしてはいけません。

番外編:ウーバー(Uber)は使える?

Uberは使えません!私も当初淡い期待を抱いていましたが、アイラ島を訪れて「Uberは無いな」と実感しました。アイラ島はスモール・コミュニティなのです。

アイラ島へ旅行をお考えの方は、早々にUberプランは消去しましょう。

蒸留所ツアー費用等

蒸留所ツアー費用は、お一人様約10ポンド~100ポンドとかなりのレンジがあります。そして困ったことに、ホームページを見ても詳しい情報が載っていない!

私の経験上でわかったことは、「値段差はツアー後に試飲できるウイスキーの種類や数が違うだけ」ということです。つまり、ウイスキーの製造プロセスを見ることが目的であれば「一番安いツアー」を選んでおけばいいのかと思います。

もしどうしてもプレミアム・ウイスキーの試飲をしたい場合、現地でお金を払えばたいていの種類は飲むことができます。

尚、プレミア狙いとして長期熟成のものの他に、「蒸留所限定」のボトルを狙うのもよいと思います。どこの蒸留所でも「Distillery Exclusive」と書かれているボトルがあり、アイラ島に行ったという承認欲求を満たすのには良いかもしれません。

アイラ島旅行で気を付けるべきこと

ホテル・タクシー・蒸留所ツアー・レストラン 全てにおいて事前予約必須

アイラ島は想像の3倍ぐらい予約の難易度が高く、事前の旅行計画と早めの予約が肝となります。予約時は以下の手順がおすすめです。

  • まずはざっくりした旅行のテーマ(何を楽しみたいか)を決める
  • ホテルの空き状況を確認する
  • ②をベースに、蒸留所見学ツアーの日程を確認する
  • 飛行機の空き状況を確認する
  • タクシーの空き状況を確認する
  • ②~⑤のAND条件が取れる場所で旅程を組み、ホテル・蒸留所ツアー・飛行機・タクシーを同時に予約する。

実際は全てが空いている枠がほとんど無いので、どこかで妥協が必要です。

蒸留所ツアーは「定休日」に気を付けてください。日曜日と月曜日が休みところが多いです。

ホテルとタクシー予約のコツは、リストを作成して、片っ端からメールを送信すること。レスポンスがあったらラッキーぐらいの感覚でいてください。

すべて計画通り予約が取れないので、自由度の高い移動手段や宿泊施設の検討も必要になり明日。例えば、自転車やレンタカーを部分的に活用したり、個人経営のB&B (Bed and Breakfast)を紹介してもらったりするのも手です。

悩んでいる方

アイラ島って蒸留所とヒースとピート(泥炭)しかない島でしょ?なんでそんなに忙しいの?

タクシー運転手の女性が教えてくれた情報なのですが、アイラ島はウイスキー以外でも「野生動物の観察」、「ゴルフ」など観光地としての多様性があるそうです。

例えば、秋から冬にかけては「バードウォッチング」の需要がかなりあるとのこと。あと、余談ですが「1984」の舞台となった地域だそうです(村上春樹の1Q84ではなく、ジョージ・オーウェル)。文学とか全く知らない私は「Haruki Murakamiの作品?」と質問して、会話がまったくかみ合いませんでした。

レストランの予約

レストランの予約はそこまでシビアではないですが、前日までの予約は必須と考えておいた方が良いです。

ボウモア村の選択肢は以下の3つと考えて差し支えないです。

  • Bowmore Hotel
  • The Loschside Hotel & Restaurant
  • Peatzeria

番外編として、COOP(小さなスーパーマーケット)があるので、そこで食料品を調達するのもよいです。

私のケースですが、初日はレストランの予約を取っておらずどこも入れなかったので、Peatzeriaでピザをテイクアウトして、COOPでビールを買ってホテルの部屋で食事をしました。

また、ブルイックラディ蒸留所付近でランチをする場合は、Port Charlotte Hotel & Restaurantがおすすめです。暖炉とバーがあって趣がありました。

携帯電話の電波が弱い

はい。インフラは整っていません。Google mapsなどの調べものには時間がかかります。

タクシー料金を支払うときに「カード決済」をしたのですが、5回連続で失敗しました。

ブヨ

スコットランドにはミッジ(midge)と呼ばれるブヨが生息しているようで、ミッジに嚙まれると楽しい旅の思い出が台無しになるほどかゆくなるそうです。

私はミッジの被害にはあいませんでしたが、長袖長ズボンと虫よけスプレー/クリーム持参はしておいた方が無難です。

我が家で買ったのはこの商品Lifesystems Deet Free Midge & Insect Repellent。幸いにも10月のアイラ島ではミッジに遭遇しなかったので出番はありませんでした。

まとめ

以上、アイラ島への旅行は入念な事前準備とそれなりの費用が必要ですが、その労力を大幅に上回る体験をすることが出来る場所でした。

以下のような方には是非旅行先として検討していただきたいと思います。

  • ウイスキーが好きで、もっとウイスキーを好きになりたい方
  • ウイスキーに関する深い興味があり、知識と経験の幅を広げたい方
  • 自然が好きで、のんびり酔いたい方

そして、アイラ島旅行は「聖地巡礼」と呼ぶにふさわしい場所です!

  • 蒸留所で飲むウイスキーの味は格別!大自然と酔いがあいまって幸福度がはんぱない!
  • ウイスキーの知識量&経験値が増えるので、今後ウイスキーを飲む楽しみが増える!
  • 好きだった銘柄がより好きになる!蒸留所限定ボトルでさらに愛着を増そう!

そんなことをお伝えさせていただきました。

  • この記事を書いた人

Mishima

静岡県三島市出身|都内への新幹線通勤歴/通学歴10年、リモートワーク歴5年|海外在住歴7年|東京都内よりもQuality of Lifeが高い暮らしについて発信しています。

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